新プロローグ
新規プロローグ。
今度はバトルなし、と言うかこの後にあれを第一章に加えて色々書き直して晒す予定。
設定先に晒し説いた方がいいんじゃね?
とのことで、設定を軽く晒してみた。
でもなんか意味不明に聞こえる気がするぜい。
ちなみに一人称視点に変更。
理由:その方が久しぶりでモチベーションが上がる。
「世界は今、滅びに瀕しているのです」
目の前にいた少女は俺にそう言った。
その車椅子に座った少女の深い青の目はとても透き通っており、どう控え目に見たところで嘘を言っているようには見えない。
どうやら本気でそんなイカレタことを仰っているらしい。
「あら? その目は信じていませんね?」
当たり前だ。
そんな事を言われて簡単に信じるのはとんでもない馬鹿か、とんでもないお人好しぐらいなものだろう。
あいにくと俺はどちらでもない。
いや、まぁ。多少馬鹿ではあるけれど。
しかしそんな多少馬鹿でも、証拠も何もなくそんなふざけた言葉を信じるようなことなど出来るわけがない。
「証拠ならあります。貴方もつい今し方遭遇した化け物――あの悪魔(・・)がそうです」
悪魔。
そう言われて、俺はここに連れられてくる前に出会った化け物の存在を思い出す。
黒い巨体に尻尾を生やしたあの姿は、確かに悪魔と呼ぶにはふさわしいのかもしれない。
だがあの化け物がどうすれば世界は滅ぶというのか?
確かに脅威でこそあったように感じられたが……しかしだからと言って世界が滅ぶほどの脅威には思えない。
せいぜいミサイル一発をぶち込んでやれば、余裕で殺せるぐらいの化け物だ。
まともに機能すれば、平和ボケした日本の自衛隊でも無傷で対処できるだろう。
「貴方は貴方を襲った悪魔が、どこから来ると思います?」
そんな物知るわけない。
だから適当に漫画で読んだ「地獄」や「魔界」といったものなんじゃないか、と考えもせずに答えてやった。
「ではその魔界や地獄というものは何だと思います?」
だから知らないっての。
言いたいことがあるなら回りくどい言い方をせずにとっとと言いやがれ。
「失礼。これでも学園長をやっている身なので、まず相手に考えてもらえるような話し方をしてしまうんです。もっとも貴方には無駄なようなので、今後は話し方を改めましょう」
軽く馬鹿にされたような気がして苛々する。
言いながら体の前に垂れていた長い銀の髪を手で後ろにすく様子が妙にキザったらしく見えてさらにむかついた。
見た目ほとんどガキみたいなくせして格好つけてるんじゃねぇ。
クソ、もっと直接的に馬鹿にしてくれれば、問答無用で傷一つない人形みたいなその顔面を殴りつけてやるのに。
「それで悪魔はどこからやってくるのか、という話ですが。簡単です、悪魔は異世界からやってくるんです。では異世界とは何なのか――この現行世界とは異なる法則の流れる世界です」
異なる法則?
「簡単に説明すれば重力がなかったり、自由に炎を操ることのできる世界。こちら側から見れば魔法の世界、みたいなものです」
ハハハ、魔法と来たか。誰かこのメルヘン少女を止めてくれ。
「世界を構成するのは、その世界にあふれる物質とエネルギー。そして法則です。そのどれが欠けても世界は成り立たない。そしてその純度が百パーセントに近いほど世界は安定し、純度が低くなればなるほどその世界は安定性が低くなる。ここまで言えば、貴方でも理解できるんじゃないですか?」
……つまり、異世界からやってきた悪魔たちが世界に溢れると、それだけで世界の純度が下がるから、世界が滅ぶ?
「正確には純度が下がることで、世界が安定性を失い、それによって崩壊するんです」
細かい奴だな。
別に変わらねぇだろ。
「そこで世界は悪魔がやってきた時に“異世界化”と呼ばれる現象を引き起こして世界の全てを停止させ、悪魔と言う異世界そのもとの接触を回避した上で、世界が生み出した抗体によって悪魔を撃退するのです」
抗体。
言われて俺は後ろを振り返る。
そこには一人の少女がいる。
俺をここに連れてくる際、その悪魔を倒した少女が。
あの悪魔を倒した力。あれが――――
「そう、それこそが世界が自身を守るために作り上げた力。対悪魔武装(エンジェルアーム)です。そしてその力は貴方の右腕にも宿っている」
そういや、おれの右腕も何かとんでもないことになってたな。
あれも対悪魔武装ってやつなのか。
まぁ、それは解ったが……で、結局アンタは何を言いたいんだ?
「簡単です。貴方のその力は世界を守るためのもの。だから世界を守るために闘っている私たちに力を貸して欲しいのです」
あー、やっぱそうなるわけね。
確かにアンタの言うことが本当なら、手を貸すのが道理なんだろうけど。
「けど?」
そんな道理なんか糞喰らえだ。
誰もこの力をくれなんて頼んでねぇんだよ。
そんな望んでもいない力を持っているから世界のために闘えなんて、頭にウジでも湧いてるのか?
第一、この力は世界が与えたって言っても、すでに俺のものだ。
だったらこの力の使い先を決めるのは世界じゃねぇ。
この俺が決めるべきだろうが。
「……………………」
おお、目をパチクリさせて面白いぐらいに驚いてやがる。
さっきまで馬鹿にされてたから、こういうのは気分が良いぜ。
あ。言っておくが、むかついたからこう答えたわけじゃないぞ?
もし目の前にいるのが無二の親友――なんていないけど――だったとしても俺は同じように答えるだろう。
目の前の少女がむかつくむかつかない以前に、俺は俺の行動を誰かに決められるのが大嫌いなんだ。
自分の生き方は自分で決める。
他人の用意した意志なんかに意味はない。
自分で決めた意志にこそ意味がある。
俺は激しくそう思うね。
*
さて、こうして俺の物語は始まったわけなんだが……ん? 俺が誰だか分らない?
ああ、そういえば自己紹介がまだだったな。
俺の名前は瀬倉智貴。
一応高校生をやってる十六歳だ。
夜露死苦(死語)。
あん? ついでに状況も意味不明? こんな半端なところから話すな、ボケ?
……手前、いい度胸だ。
文章越しじゃなかったらぶん殴ってるぞ。
まぁ、いいや。
解らないんじゃ、話が続いても解らないだろうし、どうして俺がこんな状況になってるのか、仕方ないからそこから話してやるよ。
そんじゃ、耳の穴かっぽじってよく聞きやがれ?
あれは大体3時間ぐらいまで遡るんだが――――
―――――――――――――――――――――――――
この後に改造版前プロローグを持ってこれば、色々解る気がするんだが、どうだろうなぁ。
少なくとも主人公の人となりはこれで少しは解ったはず。
後プロローグだし良いか、と思って情景描写+人物描写を省いたけど、大丈夫かな?
それと主人公の台詞にも、やっぱりかぎ括弧があった方が良いのだろうか。
とりあえず前プロローグの改造に入るかー。