短編に遅れ定評のある僕

ようやく短編のイマジネーションが完成した。
数日間で出てくるアイディアなんて「練り」が足りていないし、落ち着いてそれを書くこともなかなか難しい話だ。なので、この際内容よりも文体を意識して実験的なものを明日書いてみよう……という話はさておき。
最近のエントリで中二病の話が流行っているのにちょっと触発された。一石を投じるわけでも喧嘩を売るわけでもなく、思うところをすこし述べさせてほしい。ちょっと卑怯だけれど、次からこんなことしないので、今度だけ許して下さいね。
要するに中二病とは身の程を知らないことではないか。そして自分に嘘をつくこと、あるいは自己陶酔することだと僕は思う(自分でそう言いつつ胸が痛い)。
自分を追い詰めるマゾヒスティックなブーメラン的問題提起ではあるが、中二病のうち大きく占めるのは「実際の自己とかけ離れた理想という自己像を重ね合わせること」であると思っている。
今の自分が、その自己像を体現する可能性を無謀にも信じ込むということ。だからこそ「俺最強」なのであり、アニメ漫画のまねをするのではないだろうか。
その自己像が自分自身だと思いこむからこその自己陶酔だ。自分の身の程にあっていない非現実的であるのを知っているにも関らず、それが「かっこいい理想」であると思えば、無理矢理にも自分に体現しようと、あるいはできるものと思いこもうとする。
……ああ、書いていて心が痛いエントリだった。

追記:
今読んでいる「<本当の自分>のつくり方」という本に、これに関する面白い見解が沢山載っている。上の文章もその引用を含むけれど、この本すばらしいほどのタイトル詐欺である(良い意味で)。
タイトルだけ見れば安易で幼稚なものに見えるが……ある意味で戦略的だ。なにしろ<本当の自分>を否定するところから始まるのである。
物語という魔薬は中二病のヒロイズムを増長しうるが、その危険性にももちろん触れている。なんてかゆい所に手の届く本だろう、と感動した次第です。