投稿してきた!!
話をしよう。
あれは昨日……いや、日付的には今日のことだったか。
深夜まで原稿の修正作業をしていた哲学さんは夜の三時頃にようやっと応募作品を印刷することにした。
作品の名前は……なんて言ったか。
書く前には色々と候補を決めていたのだが……最終的には、そう。
『カバラバラバラ』
もちろん印刷するのは手持ちのモノクロレーザープリンタだ。
購入して一年半のものである。
「こんなプリンタで大丈夫か?」
と言われなくもない骨董品だが
「大丈夫、問題ない」
と言い聞かせて印刷ボタンを押す。
ギュイィィィィィィ
うねり声を上げプリンターのモーターが回転し印刷を開始する。
だが、幾度待っても紙は出てこない。
やがて、ぷすんぷすんぷすんとプリンターは用紙切れのメッセージを出して動かなくなった。だが、プリンターの中には確かに紙が入っている。
なんということか。紙が入ってるのに印刷がされてない!
神は言っている……こんな作品を投稿すべきではないと。
工工工エエエエエエェェェェェェ(゚Д゚)ェェェェェェエエエエエエ工工工
……いやいや、これは今手持ちで一番いいやつだよ! たぶん!
神は言っている! 全てをちゃんと印刷して投稿せよと!
哲学さんは何度か試行錯誤するも、自動給紙が出来ない。
ならば、とプリンターのモードを切り替え、給紙モード変更!
手挿しにして一枚ずつ印刷を開始。
「おぉぉぉぉっ! でぇぇぇぇい!」
100枚近い数の原稿を一枚一枚丁寧に丁寧に給紙していく哲学さん。
数分後
ああ、やっぱり今回もダメだったよ。
……大体二十枚目くらいで心が折れた。
高速印刷が売りのレーザープリンターで何が悲しくて一枚ずつ印刷せなあかんねん! ざけんなっ!
人間は諦めない心と創意工夫が唯一絶対の力だよ!(二つあるのに唯一とか言ってる時点で哲学さんの焦りっぷりが分かる)
と言う訳でプリンター分解。
原因はアームの力不足。
このプリンターは底面に紙を入れて、印刷する際には、下にある板が上にあがり、紙を上へと押し上げて給紙する。
しかし、そのアームが充分に上にあがらず、結果的に紙が上にあがらないので。上から手で給紙は出来るので印刷事態は可能。
とどのつまり、アームの力を増強するか……入れる紙の量を減らせばいい。
と言う訳で、20枚だけ紙を入れて自動印刷開始。動いた!
「……いいんじゃないかな?」
そんな訳でそれを三・四回くらい繰り返して印刷できた!
時刻はもう四時過ぎ。
とりあえず寝て、仕事前にコンビニに行って出すことにした。
起きたらどしゃぶりだった。
しかも、寝た時間が時間だったので、電車への時間も結構シビアだった。
哲学さんは走った。
がむしゃらに走った!
雨の中、傘を差しつつ、封筒に入れた原稿を濡れないように必死に走る。
コンビニに滑り込み、メール便を出すとそのままダッシュ。
改札を越え、階段を下り、電車へと駆け込んだ。
ふう、なんとか投稿出来た。
次は、もっと余裕のある投稿をしよう。
そんな実話。
オチはない。