久々に……衝撃

耳刈ネルリ万歳万歳万々歳」を今読み終わった。
とにかく凄い作品だった。技巧的な水準の高さも感じたが、それよりも取り上げたいのは、ある重大な問題への野心的な試みだ。それは文体のレベルから実現されている。
詳しく書くことはネタバレになるし、書くにしてもこの作品を論ずるには何回か読みこまないといけないだろう。今はさすがに時間はないので、それは後回しにしたい。(まああえて言うなら、それらが最も顕著になっている例として208ページ12行目と、271ページ全体を挙げておく)
なんとなく、えんため大賞の選考委員の意志、の端っこあたりに触れられたような気がする。絶対にこの賞の締め切りには間に合わせたい、強くそう思った。
追記:
この作品の感想として、主人公の一人称の地の文と実際の行動の解離みたいなのがよく言われているようだが、正直それは絶対あり得ないと思う。主人公は本当にこういう思考をしているに違いないし、それは照れや恥ずかしさなどで歪曲されることなく、本質的にそのままの立場・観点から行動に反映されている(嘘や飾りでなく、本当にここまで堂々とした人間が、そう照れたり恥じらったりするだろうか?)。
なんでそんなこと思うかっていうと、やっぱり自分とシンクロできたからだろうなぁ……まあ説明しろと言われればできんこともないのだけれど、やはりもう少し読みこんでからにしたい。