哲学さんの今書いてる作品に対する思考変遷はこんな感じ

 さて、プロットを整理しよう。
 哲学さんが最初に考えたプロットは以下の通り。

仮題:「ネトラレMissionらぶ」

 主人公はある日、自分の親友の彼女のKが処女を捨てたいと悩んでいるとクラスでも有名な恋多き女「荒川栗栖」に相談しているのを聞いてしまう。
 なんでも、体質的に彼女の家は破瓜の傷みが凄いらしく、それが原因で処女を捧げた相手とは絶対に結ばれないジンクスがあるらしい。
 母親の世代だけでなく、自分の従姉連中も処女を捧げた時、余りの激痛でセックス恐怖症になったり、彼氏に「これだから処女はメンドー」と疎まれて破局してるらしい。
 で、Kは今度幼なじみと念願のエッチをする予定だが、これが原因で幼なじみと破局はしたくないのでなんとかエッチの上手な人に優しく処女を奪って貰ってから本命の彼氏とエッチしたいというのだ。
 栗栖ちゃんは「いやー、でも男の子は処女で喜ぶもんだし、そんな理由で捨てるのもどうかなー」と諫めるが、Kはともかく「エッチが上手で優しいイケメンを紹介して」とごねる。
 そこで、主人公が盗み聞きしているのがバレ、せっかくだからと栗栖は主人公がKの処女を貰ってあげれば?と提案する。
 なにせ、主人公は婚約者持ちだから、エッチの経験もあるでしょ、と。
 Kも知らない相手よりは安心できるかも、と何故か乗り気になり、主人公は女の子二人に、強引にKとの初エッチの約束をさせられてしまう。

 だが、主人公は婚約者がいるものの、童貞だった。婚約者は親同士が勝手に決めたもので、本人達は同意している訳ではなかった。
 むしろ、相手はお嬢様であり、「なんでこんな冴えない男と」と、どちらかと言えば嫌われている。が、いい小間使いとしてよくパシリとして扱われている。
 その姿は街でもよく見かけられてて、周囲には何故か仲のいいカップルと思われているのだ。
 そんな訳で、Kとエッチするためにまずはなんとか婚約者と仲良くなろうとするが、むしろ邪険に扱われて逆に二人の中はますます険悪に。
「ああいいよ! じゃあ俺はKとエッチするからなっ!」
 と主人公は考え直す。
 が、その為にはまずエッチの手ほどきを受けなければならないと言うことで、やっぱり恋多き女、栗栖ちゃんに泣きつく。
「すまん、俺童貞なんだ。助けてくれ」
 栗栖ちゃんは仕方ないなぁ、と言う訳で今度はエッチの上手い女の人を紹介してあげるから、その人の悩み事を聞いてあげて、と言われる。
 悩み事を解決したら、その人は一緒に寝てくれるかもしれないよ、私からも口添えするからね、とのこと。
 こうして、栗栖ちゃんから、三人のお姉さんを紹介され、主人公は三つの試練に挑むことになる。

 だが、紹介されたお姉さんの悩みを聞き、解決すると、主人公はそれで満足したり、相手に悪いと思って主人公はなにも報酬を貰わず去っていく。
(※依頼内容が、そのお姉さんの恋人が浮気してないか調べてきて欲しい、だったり、破局した前カレとのよりを戻す手伝いだったり。)
 が、そのたびに主人公はエッチが上手くなる訳じゃないけど、人間的に成長していい男に成長していく。
 それを受けて、Kは最初は初エッチの手伝いだけのつもりだったのだが段々本当に主人公に惹かれていく。
 後、主人公は人間的に成長していくので、もちろん親友との友情も深まっていく。(ていうか、栗栖ちゃんの試練に対して、親友にも手伝って貰って二人は仲良くなっていく)
 もちろん、人間的に成長するので、主人公はKとの初エッチはやっちゃ駄目だろ、親友に悪いと何度も思い直す。
 が、婚約者とは顔を合わせる度に喧嘩ばかりなので「やっぱ駄目だ。というか、Kと初エッチするのは親友のためでもあるし」と考え直す。
 とはいえ、婚約者の方も、顔をつきあわせる度に、なんかだんだんいい顔つきになり、言動もしっかりしてくる主人公に「あれ、もしかしてこいついいヤツなんじゃ?」と思い始める。
 で、三人目の依頼をこなした主人公は、色々あって、やっぱり親友を裏切れない、と思い、自分が童貞だったことを告白し、Kの要請を断る。(ちなみに三人目は男性不信になったKの従姉の男嫌いを治すこと。前彼の為にセックス練習してテクニシャンになったけどビッチは死ねと嫌われた可哀相な人。デートして心の傷を癒してあげるお話)
 が、その頃にはすっかり主人公に心奪われてたKは強引に主人公の唇を奪う。
 そして、それを目撃する婚約者。
「残念ね、カレは私のモノよ」
 と何故かドヤ顔で宣言するK。泣いて逃げる婚約者。
 雨の中逃げる婚約者は主人公の親友の家に行き、自分の見たことを告げる。
 後悔する主人公。
 そこへ、やってくる荒沢栗栖。
「じゃ、そろそろハッピーエンドに行こうか」
 荒沢栗栖は主人公の親友と、Kと、婚約者の三人に「主人公と栗栖がデートに行きます」とメールしておびき出す。
 そして全ての役者が揃った中、主人公はとある決断をする――。(以下略)

 的なことをぼんやーりと考えていた。実際には上みたいに細かく考えて無くて、「たぶんこんな感じだろうな〜」と言うのを漠然と思ってて、なかなか一つのプロットとしてまとまってなかった。
 要点としては、Kの処女を貰うために、主人公は他の女の子の悩みを解決するミッションをガンガンこなしていく、というストーリー。
 これは登場人物に「荒沢栗栖」というこの前書いたラブコメのキャラがいることから分かる通り、「前回の反省を生かして今度こそガッツリとしたラブコメを書くぜ!!」と哲学さんが考えていた腹案。
 生徒会長の祈鈴ちゃんとかも出る予定だった。
 あーでも、今更だけど、内容的にモロHな話を延々してるので、本番がないとはいえ、ラノベ向きではないかもなぁ。




 しかし、実際に書いてみると全然違う話になっていた。
 分岐点はただ一つ、婚約者の存在。
 主人公の婚約者は何者か、何故主人公には婚約者がいるのか、と考えていって浮かんだのは「武門の家だから」と言うアイデア
 で、生まれたのが「そよぎ」というキャラクターで、彼女は主人公を嫌うどころか、主人公にぞっこん。
「早くわたくしをキズモノにしてください!」
 という大胆少女。
 が、しかし、彼と彼女の家には掟があり、「許嫁に一撃与えないと結婚できない」という掟がある。
 つまり、許嫁より強くないと主人公は結婚できないのだ。
 が、許嫁は剣の天才なので、まったく許嫁に歯が立たない。
 おかげで、せっかく可愛い許嫁がいるのに全く手が出せず、ふてくされる主人公の景良(かげよし)くん。
 そんな彼の元へ、親友の彼女であるKが処女を捨てたい、と言う話が舞い込んできて、そっちに心が寄りかかってしまう。
 そもそも、なんで景良の剣が伸びないかというとモチベーションの問題があり、主人公の流派は退魔剣であり、妖怪退治の為の剣術を現代にまで代々のこしているのだ。
 あと、この未来との嫁と戦うという行為そのものが流派の奥義継承の儀式にもなっている。(無形のものを断ち切る秘剣が奥義。)
 が、今更そんな剣術をやってどうするのか、と思っていたのだが、そんな折、彼らの前に人外の力を持つ奴らがやってくる。
 景良くんは剣術を極められるのか、そよぎちゃんに勝てるのか、それとも、剣術を捨ててKとのエッチへ逃げ込むのか。
 とかそう言う話にパラダイムシフト。
 で、その上で改訂した現在の物語プロットは以下の通り。

題名:未定

 古流剣術の伝承者――酒々井景良は悩んでいた。剣が伸びない。
 そもそも、妖怪退治の剣を現代日本で伝承する意味はあるのか、と。
 彼には許嫁がいるが、許嫁に勝たなければ結婚出来ない。こんな役にも立ちそうにない剣術を極めないと結婚できないとかおかしすぎる。理不尽だ。
 そんな折、親友の彼女が処女を捨てたいと騒いでおり、荒沢栗栖の要請で何故か親友の処女を貰うことに。
 その場は勢いでオーケーしてしまったが、どうしたものか、と悩む。
 それはそれとして、景良はそよぎといつも通り修行メニューをこなし、夜は街を巡回する。
 このところ、人外の仕業っぽい通り魔事件が起きているからだ。
 そして景良達は風を操る謎の化け物と遭遇する。
 覚悟を決めて戦う景良。
 だが、相手は妖怪などではなく、超能力者だった。
 ここ数年、超能力者が緩やかに増えているらしい。
 そして、街で通り魔事件は続く。
 人外の力を持つ超能力者に立ち向かうために、景良は夜の街を駆ける。
 一方、昼間は親友の彼女がやたら色気を出して迫ってくる。
 景良はなんのかんのでそれを断ろうとするが、相手の押しが強くて断り切れない。
 果たして景良は超能力者を倒せるのか。そよぎを倒せるのか。
 無を切る剣とはなんなのか。
 超能力者たちとはなんなのか。

 的な感じで、ぶっちゃけまとまってない。
 書いてみた結果、「酒々井景良」と「科八木そよぎ」という二人のキャラクターが強烈に気に入って彼女らの為に世界観を用意したモノの、ストーリーがまだ組み上がってない状態と言う。
 おかげでこないだ上げた中途半端な話になってるのである。
 んーまー、とりあえず「景良」と「そよぎ」の物語は凄く書きたいので、まずはそっちからプロットを立て直し中。
 しかし、最初の『ネトラレmissionらぶ』はボツにするにはちょっと勿体ないかもなぁ。