即興小説その12

 毎日短編書いて小説力をあげようキャンペーンその11。

(http://d.hatena.ne.jp/kaien+B/20130815/p1)

○今回のプロット
 めんどくさいのでお題メーカー使おう。

哲学は「桜色」「犠牲」「増えるトイレ」を使って創作するんだ!ジャンルは「ギャグコメ」だよ!頑張ってね! #sandaibanashi http://shindanmaker.com/58531

 これはまた書きやすい感じか。
 問題は、ギャグコメか。
 ギャグコメ。うーん。
 とりあえず、トレイが増えすぎて崩壊する世界の中、多くの犠牲を払い、最終的には桜色の風景が広がるのを見つめてエンド、ということにするか。


 こんなにも穏やかな気持ちで終わりを迎えるとは思わなかった。
「ちょ、何を落ち着いてんねん! もしもーし! もーし!」
「なんや、先輩。まだ居たんですか。ここは危険なのでとっとと帰って下さいな」
 肩をすくめる俺の頭を先輩が拳骨で叩く。
「なにすんすかー!?」
「それはこっちの台詞やがな。このままだとここももう持たんで! 早う逃げないと!」
 先輩の言う通り、ここももう持たないだろう。
 我が学校は増殖するトイレによって埋め尽くされ、滅びる運命にあるのだ。
「いやいやいや、絶対おかしいやろ、それ」
「でも、事実やないですか?」
「……まあ、事実やけど」
 真正面からの言葉に先輩は歯切れが悪い。
 それは突如として始まった。
 なんと、学校に備え付けしてあったトイレの便器がいつの間にやら増殖を始めたのだ。
 北校舎の一階のトイレからスタートし、廊下はすべて和式便器で埋め尽くされた後、二階は洋式便器、三階は小便器で埋め尽くされた。
 トイレは床から次々と生えてついには北校舎の全てがトイレで埋め尽くされてしまった。
 事態を重くみた教師陣は即座に生徒達を見捨てて安全な場所へ逃げた。
 生徒達もそれを見て避難訓練のことなど綺麗さっぱり忘れて逃げ出したのだ。
 もうこの学校に残ってるのは俺か、目の前にいる先輩くらいなものだろう。
「なんでトイレなんかが……床から生えるものとか初めて知ったわ」
「俺もシランかったすよ。いーから逃げて下さいや」
「キミも逃げなあかんやろ」
 先輩の言葉に俺は首を振った。
「けじめをつけんといかんのです」
「……けじめ?」
 首を傾げる先輩に俺ははっきりと告げてやる。
「あのトイレ……実はボクのせいなんですわ」
 こんな会話をしている間にも今居る南校舎の廊下では次々とトイレが床から生えてきている。
 後三十分もすればこの教室もトイレに埋め尽くされてしまうのだろう。
「……うそやん?」
「それがほんまなんですわ。実は校舎裏にある神木。あれの枝をつい、折ってしまって」
「そんなことしとったん?」
「まあ、それはよかったのですが」
「よかったんかい」
 突っ込みつつも話の続きを促す先輩。気になるのだろう。
「折った神木の枝に小便を引っかけたら、昨日の夢に謎の老人が現れて『トイレによって学校を埋め尽くす。止めて欲しければ、お前が犠牲になれ』と言われたのですよ」
「なにそのトンチキなん」
 俺の言葉を先輩はまったく信じられないようだった。
 ……まあそうか。 
 俺だって信じられない。でも、床から次々とトイレが生えてきたのを見せられると、よく分からないけど、昨日の夢は正夢と思わざるをえない。
「ちょっと! そんなんで死んで貰ったら私がこまる!」
「なんでですのん?」
 いきなり怒り出した先輩の言葉に俺は目を白黒させる。
「それくらい察せや!!」
「?????」
 首を傾げる俺に、先輩は息を吸って告げようとして……やっぱり出来なくて拳骨で俺の頭を殴った。痛い。
「あんたが好きやからに決まってるやろ! 言わせんな恥ずかしい」
 顔を真っ赤にして告げる先輩を前にして俺は言葉を失った。
 まさかそんな。
 だっていつも先輩は俺の扱い悪いじゃないですか。
 しかし、何かを告げるよりも早く、俺は何かの視線に気付いた。
 ちらりと横を見る。
 そこにはなんと夢で見た老人がクローンでも作られたのか大量に現れ、廊下側の窓にびっしりと並んでいた。
「ぎゃあっ! 何! 一体何!!!」
 驚く先輩。そのうち、老人の人が中へ入ってきた。
「………………」
 なにやら品定めする老人。
「よし、なんかお嬢ちゃんがかわいいからこのくそガキの罪をゆるすっ!!」
 老人の言葉と共に校舎が桜色の光に包まれた。
 すると、あれだけ沢山いた老人とトイレは消え去っていた。
 そして気がつけば無人の校舎に俺と先輩の二人だけ。
「……なんか解決したみたいやね」
「……そうっスね」
 思わず顔を見あわせ……笑った。
 よく分かんないけど、先輩の可愛さが世界を救ってしまったらしい。
「あのおじいさんなんやったんやろ?」
「さあ? やっぱりご神木に宿っていた木の精やないですか?」
「その心は?」
「木の精だけに、気のせい……なぁんちゃって!」
 このあと千年の恋も醒めたのは言うまでもない。




 すいません、眠いから後半テキトーぶっこいちゃいました。
 親父ギャグに頼るとか……なんだこれ。
 昨日に引き続き、謎メルヘンな話を書いてしまった。いや、これはメルヘンじゃないですね。
 まったくの意味不明展開ですね。
 色々と謎の答えを提示してもいいんですけど、すいません、眠いので寝ます。