セカイ系の話 その2

 とまぁ、昨日の記事でセカイ系についてすごく大雑把でいい加減な定義をしたのだけれど、この話が何に繋がるかというと――実のところまどマギに繋がったり。


 何の話かというと、要はラノベってこう、セカイ系に限らず、「世界とヒロインどっちかしか助けられない!→それでもなんとか両方救う!」的な話が多い。
 勿論例外もあって、片方しか救えないものが多かったり、代わりに主人公が死んだりするものもある。よくある「自分達にとっては幸せだけど他人からは幸せに見えないエンド」とか。
 でまぁ、こないだ見事にまどマギが最終回迎えた訳だけど――そこに至るまでの話で、10話を起点として「ほむらがまどかを救うセカイ系の話」としてまどマギを読み解くと「ほむら☆マギカ」としてはバッドエンドと捉えることが出来る。
 まどかを主人公とした物語としては、あのエンドでいいし、哲学さんはあのエンディングは嫌いじゃない。もし、自分があのシナリオの結末を書け、と言われたら似たような結末を書く。
 でもね。それじゃぁ、もしほむらちゃんを主人公としたセカイ系の話として考えると、ダメなんですよ! 全く持ってがっかりですよ! 絶望感たっぷりですよ! 納得いかねぇ!
 ほむらは世界をループした果てに、自分の意思による決断によっては世界を変えることは出来なかった! 彼女の決意は直接的にまどかを、世界を変えることが出来なかった!
 結局、まどかはまどか自身の決断によって、まどかの意思と共に世界を変えた。
 ほむらさんバッドエンド! 世界は救われたけどバッドエンド!!
 まどマギ好きだけど、このエンディングは理性では受け入れても感情が受け入れない! 趣味じゃない!
 世界も! まどかも! 両方救う第三の道を探すべきだろ! 主人公なら!!(ばんばんっ
 ってほむらは主人公じゃねーよ。でも、納得いかねぇ!!



 ……などと宣いながら哲学さんはまどマギ最終回からこう、そこら辺のエネルギーをバネにしてそこら辺の情念をプロットに組み込もうとしてはたと気付く。
 哲学さんてば、男が目的の為に犠牲となって死ぬのは受け入れる癖に、女の子が自分から犠牲になるのは否定している。
 すなわち――



 男は! 惚れた女の為に死んでよし! だが、惚れた女が、自分の為に勝手に死んでくれるのは嫌だ!!



 という哲学さんの趣味趣向の問題である。
 なんだよう、あれだけ騒いで結局自分の好みじゃねぇか! 哲学さんてばケツの穴の小さい男だな! 普段は男女平等とか言いながら器が小さいぜ!
 と色々と自己嫌悪。
 単純な話、たとえば「まどか」が少年で、「ほむら」が男まどかに惚れててループを繰り返してて、それを救う為に男まどかが神化するのなら、全然受け入れられるんだよね。
 ただ、それでもそんな自己満足の行為はロマンチックではあるが、決して正しい行為ではないと哲学さんは断じる。
 だから、そんなことは間違ってる、女の子を助けるのはいいが、その為に男が死ぬのはダメだ!!
 ……と思って2年前に書いたのが『鼓動のラブソング』。
 とどのつまり、何かというと、哲学さんのトラウマスイッチが押されていたらしい。
 くっ……二年前に置いてきた課題が今更再燃するとかっ! だせぇ!
 っていうか、哲学さんはその先の物語を目指してるのに、今更そんなエンディングとかやめて! みたいな。




 ……という哲学さんの個人的な葛藤があったりしたのである。
 なにはともあれ、世界も女の子も守るのが主人公の役目だろう、的な哲学さんのロマンチシズム。
 だーがーしかしー。
 そんな、自分の欲しいものがなんでもかんでも守れると思ったら大間違いだ! 絶対に何かは犠牲になるんだよっ!!
 ……という哲学さんのリアリズムが色々と過酷な用件を突きつけてくる。
 等価交換の法則ですよ。何かを得るには何かを代償にしなければならない。
 だが、その幻想をぶち壊してこそ主人公!
 その先を目指さなければ!
 作り手ならば――丘の向こうを目指さなければ!
 ラノベの再生産になってたまるか!



 とかなんとか考えてたら全く小説を書かずにプロットを何度も書き直してもう五月も1/3消化。
 ダメだ……駄目すぎる。
 ともかく、プロットが組み上がらないけどまずは書いてみるか……とか今日書いてみたんだけど、これがまた全然文章が書けない。
 書き方を忘れている!!
 こういう駄文なら書けるのに、小説だと全然書けない!
 筆のスピードが落ちている! ガッデム!
 色々と空回りしすぎだ!!




 ……という様なことがあったのでしばらくはショートショートを書いてリハビリすることにしました。
 まずは小説の書き方を思い出すことから再スタート。
 まおゆうの3巻の解説で笹本祐一先生も言っていた。「下手な考え休むに似たり」、と。
 書く。
 まずは書く。
 書いて書いて、書くしかない。
 今の状態は、ジョギングをするために、地図を見ながらジョギングコースをあーでもないこーでもないと考えてるうちに走り方どころか歩き方すら忘れて引きこもりニートになっているようなもの。
 まずは、書いて、作品を書き上げる。
 それっきゃない!!





 と言う訳でしばらく、超短編をちょこちょこアップします。