哲学さんのネタ帳〜今書こうとしてる話の構想の経緯〜

 さて、昨日の記事を読んだ人は、もしかしたら「哲学さんはハーレムものディスってんの?」と思われるかも知れないけど、実はそうじゃない。ハーレムものは好きだ。
 むしろ、ハーレムものを書こうとして今こうなってるのである。
 そういやなんでこんな話書いてたんだっけ、とルーツを辿る意味で、これを書いた経緯、その思考経路を辿ってみる。



 そもそもが、まずは新人賞に贈るのだし、一発ハーレムものを書こう、と思ったのである。
 後、とある人から「女の子を救済する話を書いたら?」と言われたのもあって、チャレンジすることになったのだ。
 だが、ただ単にそのままハーレム物を書いてもつまらない。(←大したテクニックもない癖に変なところで拘りを見せる駄目な例)
 では、ヒロイン側の視点から、ハーレム物の主人公を追いかける話にしよう、となったのが今書いてる話の出発点。
 少年向けの話なのだから、女性キャラ視点は駄目なんじゃないか、と言われると思うが、決して過去に例がない訳ではない。
 ライトノベルに限らず、少年漫画でもよくある話だ。
 例をだそう。

 例えば、委員長キャラのヒロインが毎回世話を焼いている少年がいる。
 彼は授業中も休憩中も、学校にいる間ずっと寝てて、それを委員長ちゃんは毎回注意している。
 なんの為に学校に来てるんだ、と毎度世話を焼く。
 で、その頃学校では幽霊騒動で持ちきりになって、委員長ちゃんは友人達からその話を聞かされるがありえないと誤魔化す。
 それを「……」と見る寝ぼけ男。
 その後、学校の帰り道、委員長ちゃんの友達が忘れ物に気付き、委員長ちゃんは友達と共に夜の学校へ。
 すると、本当に幽霊と遭遇。絶体絶命のピンチ――というところで最初の寝ぼけ男登場。
 実は彼は退魔師で夜の間ずっと活動してるから昼間寝ていたのだ。
 なおかつ、幽霊の方も何故か「貴様……聞いたことがあるぞ……退魔の一族の××! まさかこんなところに居たとは!」とか言い出す(笑:なんで知ってるんだろう?)
 で、寝ぼけ男は格好良く幽霊を倒す。
 次の日、委員長ちゃんが出席すると相変わらず寝ぼけ男は朝から学校で寝ている。
 周りの友人達が「またあいつ寝てるよ」と言うが委員長ちゃんは笑って「ま、寝かせてあげてもいいんじゃない」と言い、周りが驚く。
 「何があったの?」「内緒(はあと)!」みたいなところでお話は終わり。

 上記のような読み切りは一つの王道パターンである。
 ジャンプの出張読み切りとか番外編で多いパターンだ。
 とどのつまり、スピンアウトものに多いプロットであり、実はあんまり長編向きじゃない。
 ここら辺はどちらかというと短編作家的なところのある哲学さんの無意識の選択と言える。
 昨日の記事でも立ち位置的に「とある科学の超電磁砲」に近い、と書いたが、まさにレールガンはインデックスのスピンアウトであり、逆に言うとスピンアウトとしては実に有用な手法と言える。
 実際、哲学さんがこの手法をとろうと思ったもう一つの理由として、主人公の女の子が惚れる予定の男の子は別作品ではもちろん主役張ってた子なので、ボツにした長編のスピンアウトを書こうとした、という側面もある。





 で、話を戻すとハーレム物である。
 ラノベ界に数多くあるハーレムものは、主人公が数多くいるメインヒロインもしくはサブヒロイン達の中から誰か一人を選ばないため、主人公の周りに続々と女の子が増えていく構図だ。 
 で、何故主人公が女の子を一人に絞らないのか、というと哲学さん的に大別すると以下の通り。

1.鈍感
 一番多いパターン。周りの気持ちに気付かない、あるいは自分の気持ちに気付いてない。

2.恋より大事な物がある
 仕事・勉強・立場・ライフワークなど……。
 恋より剣、恋より仕事、恋より受験勉強、恋よりデュエル、恋より世界の命運、みたいに恋愛より他のものを優先している場合。

3.恋を禁止するものがある
 その2のネガティヴパターン。呪い、トラウマ、一族の掟、種族の差、権力闘争、性癖など。
 キスをしたら死ぬ呪いとか、親の敵であったり、浮気だったり、近親相姦だったり、恋愛禁止令があったり……。
 あと、直接的に「女嫌い」とか。

4.へたれ
 1番と並んで多いパターン。
 好きな相手が居るけど、なかなか告白できず、気付いたら他の女の子が「私にもチャンスあるよね」と大量に周りにいついてしまう場合。しかし、「私にもチャンスあるかも」と言ってた女の子達はすべからく「ホントは分かってたんだ。私じゃ○○(メインヒロイン)に敵わないって」とか言い出すパターンが多い。ワンチャンないじゃないですかヤダー。

 で、哲学さんが考えたのは「2」である。
 恋愛より友情が大事なパターン。
 一番想定されるモデルケースは「シャーロック・ホームズ」だ。
 これはあくまで哲学さんの個人的な見解であり、異論は多いと思うけれど、何故シャーロック・ホームズが生涯独身だったかというと、ワトソンくんが居たからだと思う。
 もちろん、シャーロック・ホームズは偏執狂で、女嫌いっぽい側面も持っていたけれど、彼がついぞまともな恋人を作らなかったのは、ワトソンくんという強力な心の支えがあったからであると考える。なんでそこまで断言できるかというと、ぶっちゃけそこは実体験である。詳しくは書かないけれど。
 それはともかく、昨日の記事の例を援用すると、とどのつまり哲学さんが書きたいな、と思っている話は「シャーロック・ホームズに振られた女が、ワトソン君とシャーロック・ホームズを賭けて争う話」とも言える。
 ただ、「主人公とその相棒」でフツーに二人ともただの男にしてはつまらないので、相棒の方は「男の娘」にした。まあこれは哲学さんの好みだ。いえい。でも、あくまで友情です。ホモじゃないです(笑)




 まあ、てな感じで話的には、ハーレムものの主人公みたいなオレTUEE系の少年と、その相棒の男の娘、それとヒロインの女の子の三角関係の話を書こう、となった訳である。
 はじめに作ったキャラクター表には、主人公の女の子のところに「第三の主人公」とか書いてて、明らかに三番手ポジなのが泣ける。
 でもまあ、主人公力の非常に強い『オレTUEE系の少年』に負けず、むしろとってくうくらい主人公の女の子を頑張らせてあげたい、と思う。