とりあえずプロローグ出来たので

プロローグが出来たので晒します。
 
プロローグ
 柄にもないことを行うと死亡フラグが立つらしい。
 これは、俺が柄もなく読み始めたライトノベルの一文である。
「なぁ、古川」
 後ろの席から声が聞こえる。友人の結城だ。
「どうした? また家の蔵から面白いものでも見つかったか?」
「ご明察ぅ」
 じゃじゃん! と口で効果音を発し、結城は机の中からクリアファイルを取りだした。
 こいつの家は地元の地主らしく、家の蔵にはよくわからないものがいろいろ詰まっているそうだ。
 今回は、一枚の古い紙切れだった。恐らく本の切れ端だろう。
「ほらよ……ってわぁっ!」
 クリアファイルからヒラヒラと紙切れが落ちる。もっと慎重に扱えよ、たぶん貴重なもんだから。
「ったく何やってんだよ」
 紙切れを拾い上げ、一通り読もうとしてみるも、全文英語なのでさっぱり分からん。
「で、結局の所、これはなんなんだ?」
「俺も英語はさっぱりなので分かりませーん」
 そんなよくわからないものを持ちだしてきて大丈夫なんだろうか、前にもよくわからない巻物を持ちだして、結城のじいちゃんが切れていた。学習能力がないのだろうかコイツは。
 学習能力ゼロの結城に紙切れを返して、再びラノベに目を落とす。
 物語の冒頭で普通の少年が、路地裏で謎の組織に襲われているヒロインを突然目覚めた力で助け出し、そこから大きな戦いに巻き込まれていくストーリー。良い感じに中二だ。
 正直、今思い返せばこんな物読まなきゃよかったと思う。
「が……はっ……」
 腹に刺さっていた刀が抜け、それと同時に俺の膝は崩れ落ち、地面に倒れ伏す。
 たまたま通り掛った路地裏で、女の子に詰め寄る男がいたのでラノベの主人公と同じ事を決行した、もちろんある程度喧嘩には自信はあったし、殴り合いなら勝てると思った。
 アスファルトに血が滲んでいく。
 ちくしょう、刀とかマジで殺し屋みたいじゃねぇかよ……
 どこで死亡フラグ立てたっけ……
 ラノベと現実の圧倒的な違い。
 それはピンチになっても何の力にも目覚めないことだ。

とりあえずこんな感じです。
クリアファイルの下りは後の複線にします。

ここまで読んだ感想などをコメントいただければ嬉しいです。お願いします。
 
いろいろと修正しないとなぁ、主に文章。