修正したので……

プロローグを大幅修正したので、晒します。

以前よりは、分かりやすくなった……はず……前よりひどいかもしれない。


プロローグ
 柄にもないことを行うと死亡フラグが立つらしい。
 これは、俺が柄にもなく読み始めたライトノベルの一文である。
「なぁ、古川」
 後ろの席から声が聞こえる。友人の結城だ。
「どうした? また家の蔵から面白いものでも見つかったか?」
「ご明察ぅ」
 じゃじゃん! と口で効果音を発し、結城は机の中からクリアファイルを取りだした。
 こいつの家は地元の地主らしく、家の蔵にはよくわからないものがいろいろ詰まっているそうだ。
 今回は、一枚の古い紙切れだった。恐らく本の切れ端だろう。
「ほらよ……ってわぁっ!」
 クリアファイルからヒラヒラと紙切れが落ちる。もっと慎重に扱えよ、たぶん貴重なもんだから。
「ったく何やってんだよ」
 紙切れを拾い上げ、一通り読もうとしてみるも、よくわからない言語なのでさっぱり分からん。
「で、結局の所、これはなんなんだ?」
「日本語以外読めませぇーン分かりませーん」
 そんなよくわからないものを持ちだしてきて大丈夫なんだろうか、前にもよくわからない巻物を持ちだして、結城のじいちゃんが切れていた。学習能力がないのだろうかコイツは。
 学習能力ゼロの結城に紙切れを、再びラノベに目を落とす。
 物語の冒頭で普通の少年が、路地裏で謎の組織に襲われているヒロインを突然目覚めた力で助け出し、そこから大きな戦いに巻き込まれていくストーリー。良い感じに中二だ。
 そこそこ売れているラノベなだけあって、八割がた読んだ今、俺は二巻も読みたいという衝動に駆られている。
 今日の帰り二巻買いに行くか。
 財布の中身を確認し、再びラノベに目を落とした。
 
 放課後、俺はいつも通り同じ帰宅部の結城と下校する。
「そういやさ、もうすぐ夏休みだな。もう高二なんだから彼女でも作って一緒に過ごしたいもんだな」
「俺としては、高校生活初の夏休みを堪能できればそれでいいかな」
「なんだよ、お前もう二年だろ? 去年もお前の夏休みは存在していたよ」
「そうだけど、覚えてねぇんだから始めてみたいなもんだろ」
 実を言うと俺、古川大河は高校一年の夏休みの記憶がない。都合よく夏休みだけだ。
 そんな訳で、一般的に行動範囲が広くなると言われている高校生としての夏休みは未体験なわけだ。
「まあお互い頑張ろうぜ」
「頑張るって……何を?」
「彼女を作る!」
「それ頑張ってどうにかなる問題じゃないだろ……」
 漫画やラノベの主人公なら、異常な位にヒロインとフラグが立って行くんだが……現実ではそううまくは行かないよなぁ。
 あ、そうだ本屋いかねぇと、すっかり忘れてた。
「あ、わりぃ結城、俺本屋行かなきゃいけねぇから」
「お、そうか。じゃあな古川」
 結城と別れて本屋へ向かうことにする。
  
「無い……」
 近くの本屋に行ってみたが、二巻だけ無いという災難。
「確か近くに別の本屋があったよな」
 そっち行くか。
 少しでも早く辿り着くために、路地裏を使いショートカットする。
 そういえばあの主人公も近道をするために路地裏に入ったんだっけ? もしかして追われている少女とかいるかもしれないな。
 でもまあ、俺みたいな普通の奴が、そんな人に出くわしてもたぶん何もせずに立ち去ってしまうだろう。漫画の主人公とは違うんだ。
 そんなことを考えながら、歩くこと数十秒。
「あっ」
 視界に壁にもたれかかる少女と、少女をに詰め寄る男がいた……てあの野郎、女の子に蹴り入れやがった!
 鞄を放り捨て叫ぶ。
「おい止めろ! 自分が何やってんのか分かってんのか!」
 さっき考えていたことと大きく矛盾している。俺は関わってしまった。
 男は蹴るのを止めない。
 気付いた時には俺は、男の懐に飛び込んでいた
「止めろって言ってんのが聞こえねぇのかよ!」
 男を思いっきり殴り飛ばした。
 何故だか分からない、俺の思考には、「あの子だけは絶対に助けなくてはならない」という意味不明の命令が下されていた。
 俺はこの子を見たこともないし、自分が何故そんなことを思ってしまったのか理解できない。
「まだこの子に暴力を振るうってんなら俺がぶっ飛ばす!」
 何故だろう、ラノベみたいな展開になっている。
「たい……が?」
 なんでこの子俺の名前を知っているんだ? まさか去年の夏休みに知り合った俺の知り合いか?
「また君か、相変わらず君は僕の邪魔をするんだね」
 何だコイツ、俺の事を知っているのか。
「だいたいここには人払いをかけておいたはずなんだけどな。あの情報はガセか……」
「お前は何を言っているんだ……」
「ま、別にいっか……」
 男の手には、どこから取り出したのか、日本刀が握られていた。
やばっ、あんな物どっから――
「消えろ」
 刀は男の手から射出され、
「がはっ……」
 俺の腹に突き刺さった。
「ぁ……あ……っ」
 その場に崩れ落ちる、自分の血でアスファルトが赤く染まっていくのが分かった。
「今ので逃げちゃいましたか、命拾いしましたねぇ」
 どうやらあの子は逃げたらしい。
 ちくしょう、訳わかんねぇよ。
 あいつは一体何なんだ……なんで……俺の事をしって……るんだ。
 おかしいな、夏なのに寒くなってきた……
 あの子は……無事に逃げられたのかな……なんで自分が……危ね……ぇのに、あの子のこと……が気にな……
 血は止まらない、寒気も止まらない、反比例するように思考は止まる。
「ちく……しょう……」
 俺の視界はブラックアウトした。


 
こんな感じです。
いろいろツッコミ所があると思うので、アドバイスなどのコメントをお願いします。