即興小説その5−2
毎日短編書いて小説力をあげようキャンペーンその5。
(http://d.hatena.ne.jp/kaien+B/20130815/p1)
昨日から話が続いてしまいました。
話は昨日からつづけて読んでください。
握りあうその手が確かに彼女のぬくもりを伝えてくる。
私たちはテーブルを挟んで見つめ合った。
恋人が出来ないと嘆く彼女に、私なら、代役くらいはできるよ、と告げたのだ。
彼女は。
私のいとおしい彼女は――。
「え?」
ぼろぼろとその目から涙を流していた。
予想もしない展開に私は何も言えない。そんな。まさか。
気の強い彼女が――。
「……ごめん、イヤだった?」
彼女は首をふるふると横に振るった。
「ダメなら、手を離せばいい。それだけのことよ?」
私が彼女の手を握りしめる力を緩めると、逆に彼女は離すまいと握り返してきた。
じゃあ彼女は私の告白を受け止めてくれるのか。
しかし、返ってきたのは否定の言葉。
「無理だよ……そんなの出来ないよ」
それでも、彼女は私の手を強く強く握り返してくる。
「ごめんね、気持ち悪かったよね」
「そんなことない! そんなことない!
好きって思われて嬉しい」
言いながら、彼女の顔がぐしゃぐしゃに崩れていく。
あーあ、学年一の可愛い顔が台無しだ。
いや、泣き崩れていても、やはり彼女の顔は可愛らしい。これはこれで趣がある。
でも、たとえ可憐な泣き姿であっても、やはり好きな人に泣かれるというのは辛い。
「ごめんね。無理なの。でも、無理なの。
嬉しいけど、受け止められない。ただの友達なの。本当に……大切だけど、大切な友達なの」
頭の悪い彼女なりに必死で思いを伝えようとする。
私はため息をついた。
ああ、それが普通の反応だ。
同性に好きだ、と言われてすぐに受け入れられる方がおかしい。
私は彼女の手を離そうし――けれども、驚くほど強い力で握り返され、離すことが出来ない。
「しのっち?」
「離したら、私の前からいなくなるんでしょ? だったら無理。離せない」
「…………」
私は思わず笑みを浮かべてしまった。
手を握ったまま立ち上がり、彼女の隣の席に座る。
そうして、彼女を抱きしめた。
「よしよし……ごめんね。変なこと言って」
「ううん、違うの。悪いの。私が悪いの」
優しい子だ。
大好きな私の親友は、好きだと言われて、それに応えられない自分を責めている。
私は彼女の背中を優しく叩きながら子どもをあやすように告げる。
「びっくりさせてごめん。
でも、そうね。
別に、あなたと恋人になりたい、て訳じゃないの。
なんて言えばいいのかしら。
一緒にいて、一緒に笑って、今まで通り、楽しくいたいだけなの。
裸で抱き合いたい、てことじゃなくて――。
別に、キスだってしなくていいの。
ただほんの少し、――ほんの少しだけ、私の中の気持ちが友達の枠からちょっぴりはみ出てしまった。
それだけのことなの」
しばらく、彼女の鼻水のすする音だけが聞こえた。
やがて、ぽつりと告げられる。
「じゃあ、今まで通りね」
「そう、今まで通りよ」
体を離し、再び向き合う。
「私たちは友達よね」
「そうね」
「……約束」
彼女はぶっきらぼうに小指を突き立て、要求してくる。
「ええ、約束よ」
私は自分の小指を彼女にからませ、指切りげんまんをする。
「はい、これで後はいつも通り。ホントのホントに」
「……分かったわ」
指を離し、彼女は笑った。釣られて私も笑い返す。
彼女のまぶしい笑顔を見て……ああ、やっぱり私この子が好きだ、と思った。
ムネがちくっと痛んだけれど、それも一瞬のこと。
「なんにしても、今まで通り……しのっちは持てそうにないね、恋人」
「うっ」
どうやら彼女の恋人探しはまだまだ終わりそうになさそうだった。
了
って二日かけてもオチが微妙……!
うーん、やっぱり一気に書ききらないとダメかなぁ。
百合エンドになるかと思いきや、ヒロインが泣き出したので慌てて友情エンド。
ていうか、生っぽーい!
思春期で同性に軽く恋をすることは正常なことなのですが、そこら辺のプラトニックさをもっとみずみずしく書いてあげればいいものを辺に生っぽくして色々と台無しにしてしまいました。
もっとギャグにすればいいのに、微妙にシリアスに。
一日空けてから続き書くと雰囲気変わりますね。ダメだコレ。
いや、一日空けたのだから、一日かけて続きどうするかきっちりオチを考えるべきなのに、即興で続きを書いたのが間違いですね。
はーん、どうするか。
あと、やっぱり短編書いてるとそっちに気を取られて長編の作業も微妙に進捗落ちますね。
ぐぬぬ……色々と駄目な方向に行ってる気がするぞう。
でも、毎日小説を書くのは少なくとも一ヶ月は続けようと思います。
方法は……また少し考えます。