即興小説その6

 毎日短編書いて小説力をあげようキャンペーンその6。

(http://d.hatena.ne.jp/kaien+B/20130815/p1)

 基本一話完結だけど、キャラクターは使い回し有りで、としてます。
 前後編以外はどこから読んでも大丈夫! ……のつもりです。


『私、豊浦志乃18歳! 高校一年生!
 成績と一緒にあなたのハートも物理的に落としちゃうゾ!』
 差し出されたノートの一文に私は顔をしかめた。
「なにこれ?」
 私が恋人が出来ないことを相談したところ返ってきたのがこのノートである。
「なにって……もちろん豊浦ちゃんのキャッチフレーズよ」
 のほほん、と話すのは私の友人で高校三年生の広島葉希(ヒロシマ・ヨウキ)だ。
 かつては同じクラスにいたのだけれど、色々とあって今では違う学年になってしまった。
 何故かと言えば――まあ私が留年したからだけど。
「だってー、豊浦ちゃん美人なところと暴力的なところくらいしか取り柄ないじゃない」
「相変わらずさらっと酷いこと言うわね」
 友人じゃなきゃぶん殴ってる所よ。
 とはいえ、こんな暴力的な私に怖じけず本音トークをしてこれるからこそ彼女は私の貴重な友人なのだけれど。
「しのっちにはもっといいところ一杯あるわよ」
 と、隣の席に座る親友・花崎紀香(ハナサキ・ノリカ)がフォローを出す。
「えー、例えば?」
「そうね。義に厚いところとか」
 ……どういう意味だろう?
「花崎ちゃんの言い回しってなんか古いのよねー」
 紀香の意見をヨーキは一蹴する。ヨーキはのほほんとしてるが意外と性格がきつい。
「…………それより、二人の距離なんか近くない?」
 半眼で見つめてくるヨーキに私は目をぱちくりする。
 ちらりと隣を見ると紀香が肘がくっつくくらいの距離で座っている。
「んー、いつも紀香はこのくらいの距離で座ってるけど?」
「そうそう、いつも通りよ」
 私たちの意見にヨーキは何故かため息をついた。
「それを疑問に思わない辺り、ほんと、豊浦ちゃんはバカよねー」
 ぐっ、よく分からないけど、バカにされてしまったらしい。
 そういえばこないだ「友達よりちょっと好きて気持ちが大きい」とか言われたけど、今まで通り、て言われたから別に気にしなくていいはずだ。
「あー、ほら、私にはこれがあるしっ!」
 と懐から運転免許所を取り出す。
 そう、私は車の免許を持っているのだ! ウチの学校は別に車の免許取っちゃダメって規則がないので四月に18歳になったとき、免許を取りに行ったのである。
「高校一年生で車の免許持ってる人なかなかいないでしょー。
 彼氏をドライブにつれていけるのよ!」
 自信満々な私に対し、ヨーキの目は冷たかった。
「まぁ、普通の高一は18歳じゃないものね」
「ぐっ……だったらもう休みの日に車出さないわよ?」
 私たちは今日、車で二時間の位置にある有名なスイーツ店に来ていた。私が親の車を運転してここまで連れてきたのである。
「というか……たぶん、車の免許持ってる女子高生っていたらどん引きされると思う」
「うっ」
 結局、今日の女子会で分かったのはその程度のことだった。


 実は二倍の量を書いてたけど、時間が来てしまったのでオチがつけられず、免許持ってるとどん引きだね〜を無理矢理オチにして話を終わらせました。
 うーん、いまいちこの三〇分のタイムチャレンジに慣れない。
 なにはともあれ、何故か留年美少女こと豊浦ちゃんの三回目の登場です。
 見た目はいいけど、アホなので留年している美少女。
 哲学さんは萌え要素満載なのですが、彼女の魅力をなかなか上手く引き出せません。
 セーラー服で車をぶいぶい運転する女の子とかいいじゃないですか。
 あれ、それは萌えじゃなくて燃えかもしれませんね。
 まあ、彼女が恋人を作るのなら高校を卒業して大学に行ってからの方が無難なのですが……ていうか、この子の可愛いところ全然書けてませんね。はい。
 哲学さん泣き顔萌えなところがあるので前回泣かせてしまいましたが、もっと顔真っ赤にして恥ずかしがらせるべきですね。
 いや、論点が違う。
 なんにしても、もっと恋のキャピキャピ感を出したいものです。
 ……寝ます。