即興小説その7

 毎日短編書いて小説力をあげようキャンペーンその7。

(http://d.hatena.ne.jp/kaien+B/20130815/p1)

 ルールを更に追加。
 最初にオチを決めてから書くことにします。
 短期間だと思いつきでオチが出来ない、とかありますので。
 逆に、プロットの練習として、先にオチを決めてからそれに従って書くことにしましょう。

○今回のプロット
・海に行きました
・なんらかの理由で遊泳禁止になってました。チャンチャン。

 よし、これで書いて見よう。
 頑張って海に行く。でも、泳げませんでしたオチで。


「いやー、やっぱり夏と行ったら海よね」
 運転する私の隣で友人達が浮ついた声をあげる。
「持つべき物は友人よね−。車運転できる友達がいてよかったわー」
 更に後ろに座る友人も便乗してくる。
 今、私は二人の友人と共に車で海を目指していた。
「そりゃどうも。でも、本当に現地にいい男いるのかしら?」
「だいじょーぶよ。世の中だいたいなんとかなるようになってるものよ」
 なんて根拠のない意見だろうか。
 しかし、友人達は高校三年生で、受験勉強が忙しいはずだが――海水浴なんかに向かっていていいのだろうか。
 ――まあ、この子達は私より頭いいし、大丈夫かな。
 複雑な山道を進みながら私はただひたすら海を目指す。
 正直、電車で行った方が楽だと思うのだけれど、重い荷物を運ぶのが面倒なので車で行くことになったのだ。
「海に着いたらなにしよう」
「まずは水着に着替えて――」
「旅館のチェックインが先でしょー?」
「いやいや、車の中で着替えていきなり海に行こうよう!」
「今日はほんとテンション高いわね。珍しい。雪でも降るんじゃないかしら」
「あっはっはっ、こーんな暑いのに雪なんて降るはずないじゃない。ばっかじゃないの! もし降ってたら全裸で海に飛び込んでやるわっ!」
「なにそれバツゲームなのか超微妙だしー」
「アッハハ」
「ハッハッハッ」
「「「「ハッハッハッハッハッ」」」
 そして、海へたどり着いた。
 そこで目にした光景に私達は何も言えずに立ち尽くした。
「…………」
「…………」
「…………」
「……降ってるわね」
 なんとか気持ちを振り絞り、言葉を吐き出す。
「そうね」
「うん、降ってる」
 私がそこで見たのは空から次々と降ってくる魚の姿だった。
 空はこんなにも晴れているのに、何故か次々と空から魚が落ちてくるのである。
 生きた魚が。
 どこもかしこも、魚がぼとぼとと落ちてきては、ぴちぴちとコンクリートの上で跳ね回っている。なんというか、地球最後の日かと軽く思った。
「……紀香は優等生でしょ? 何か説明できないの?」
 投げやりに放った言葉に友人は神妙な面持ちで呟いた。
「怪雨――ファフロツキーズ現象ね」
「え? マジで知ってるの?」
 友人の知識量に尊敬の念よりどん引きする私。
「古来から、ある日突然晴れた空から生きた蛙や魚がぼとぼと落ちてくる、なんて目撃例はあるのよ。
 それをしてファフロツキーズって言うんだけど……原因は未だに不明とされてるわ」
「え? 原因不明って……もう21世紀よ? なんで分かんないの?
 気象コンピューターはなにしてるの?」
 何故か浮かれていたもう一人の友人がキレ気味に紀香に詰め寄る。
 ――あー、この子本当に海に来るのを楽しみにしてたんだなぁ。あんなに浮かれてたし。
 とはいえ、魚が空から降ってくるというこの異常事態を前に人間なんて出来ることはないのだ。
「遠くで竜巻で空に打ち上げられたものがこちらに吹き飛ばされて来た――とかそういう説もあるわよ」
「…………ギリギリ納得がいくような、いかないようななんにしても」
 私達は顔を見合わせた。
「海水浴は無理ね」
「畜生!!!!!!!!!!」



 なんか変な感じになってしまった。そして相変わらずの時間切れ。
 怪雨<ファフロツキーズ>は実在する現象で、日本に限らず世界各地で時折観測されている、実在する現象です。
 フィクション作品だと、『ジョジョの奇妙な冒険』で『ウェザーリポート』が天気を操って毒蛙を次々と空から降らせてましたね。
 書きながら「どうやってオチつけようかなー。あ、会話の糸口で『これは雪が降るかもね』て言い出したし、ファフロツキーズおこしちゃおうかなー」とか思いついて降らせてしまいました。
 おかげでどん引きですよ。
 空から次々と生きた魚が落ちてくる巨大スペクタクルな絵面が出来てしまい、なんだこりゃ状態に。
 それがどんな情景か細かく描写しようとしたらもう時計の針がかなりヤバイところに行ってて、しかもそう言えばファフロツキーズってメジャーな現象じゃねーよ!と思って慌てて解説を入れて無理矢理「およげねーよ!(チャンチャン)」てオチにしてしまいました。 
 思いつきでぶち込むものじゃないですね。
 むしろ、それは綿密に計画を立てて中編で使うべき題材でしたね。
 ちなみに、ファフロツキーズは要は普通ではあり得ないものが降ったりすることを指しますが、血の雨が降ったこともあります。これには色々とSF考察とかを混ぜると面白いのですが……いいや、時間が時間なので寝ます。
 明日はもっとまともな話を書きたいと思います。
 ではでは。




 ……こんな調子で果たして訓練になっているのか。