即興小説その16

 毎日短編書いて小説力をあげようキャンペーンその16。
 これが最後だインディグネイション!(古くて一部の人にしか伝わらないネタ)

(http://d.hatena.ne.jp/kaien+B/20130815/p1)

○今回のお題
 お題メーカーより。

哲学は「紫色」「悩みの種」「ぬれた流れ」を使って創作するんだ!ジャンルは「学園モノ」だよ!頑張ってね! http://shindanmaker.com/58531

 さてさて、半月続けてきた即興小説修行。
 これが最後です。
 えーと、プロットはどうしようかなぁ。
 今日くらいはフツーに組んでフツーに書くか。

・女の子が悩みの種を持っている。
・実は髪の毛を紫色に染めたいけど、周りに反対されている。
・主人公は話を聞いてるウチに、なるほど、そりゃ紫の方がいい、と納得する。
・女の子にいい美容院を知っている、と連れて行く。
・そこは病院。「どうしてここへ?」「ちょっと気になることがあってね」
・見て貰うと女の子の目は軽度の先天性色覚異常だった。(主人公は彼女との会話で気付いた)
・肩を落として病室から出てくる女の子。そこには髪を紫に染めた主人公。
・「なにやってるの? 格好いいけど、そんなの私にしか格好良く見えないわ」
・「知ってるよ。でも、僕はキミにだけは格好良く見られたいんだ」
・「バッカみたい。残念だけど似合ってないわ」
・「マジかよ。そりゃないぜ。染めたの無駄じゃん」
・「無駄じゃないわ」
・「どうして?」
・「少なくとも、私はあんたのことが好きになったもの」と言って抱きしめる
・なにはともあれ、二人は結ばれてハッピーエンド。

 こんな感じで!!


「あーもー、マジ最悪」
 目を細めてぐでーと机の上に体を投げ出す花川さん。
 生徒指導室で説教を受けて帰ってきたばかりなのだ。疲れてるのだろう。
「今度は何をやらかしたの?」
 教室で文庫本を読んでいた僕は本を閉じ、隣で机に寝そべっている花川さんに声をかける。
 花川さんは生徒指導室の常連で、いつも帰りが遅い。おかげで教室には他に誰もおらず、せいぜい時間を忘れて本を読んでいた僕が残っていただけだ。
「髪染めスプレーの没収。こんなの持ち込むのは禁止だし、使うのもダメだってさ」
 うちの学校は進学校なのもあって髪の毛を染めることは禁じられている。
 しかし、禁じられればられるほど、人はやってみたくなるものだ。
 特に、オシャレに敏感な女の子達からしたら髪の毛を弄るってのは簡単にできて分かりやすいオシャレと言うことらしい。
 おかげで、花川さんに限らず、色んな女の子が髪染めをして怒られたり、持ち物検査でそんなものを持ってる子は生徒指導室行きになるのだ。
「そんなの分かってたことでしょ?」
「でも、染めたいものは染めたいんだから仕方ないじゃない。
 しかも……あの先生あんなに笑わなくても」
「どういうこと?」
 僕の質問に花川さんの顔が険しくなる。
「持ってるスプレーを見てバカにしたの」
 どういうことだろう。スプレーを見てバカにするっていう事態が想像つかない。
「どんなスプレーを?」
「……あんたまで笑わないでしょうね?」
「笑ったら千円あげるよ」
 お金で誤魔化されないわよ、と顔を歪める花川さん。
 それでも迷った後に話してくれた。
「紫色のスプレーよ」
 笑うどころか戸惑ってしまう。そんなものがあるのか。
 いや、無い訳ではないか。大阪のおばちゃんとかはよく紫色に髪を染めたりしている。
 割合需要のあるものなのかもしれない。
 とはいえ、不思議なことに女子高生でそれを敢行しようって人はなかなか見ないが。
「あの先公、趣味がババ臭い、て言いやがるのよ。なんでなのよ。
 紫色とか格好いいじゃない」
 僕はいくつかの反論が思いついたけど、女の子ってのは話し出したら止まらない。
 昨日食べたおかしが美味しかったことや、友人に彼氏が出来たこと、どういう流れかその友人の制服が濡れてたけど気付かなかったこと、母親とそりが合わないこと、ゲームでぷよぷよの色が見分けにくいという愚痴、先生の口が臭いことに対する怒りなどを立て板に水の如くすらすらと彼女は愚痴っていった。
 僕はそれらをいつも通りうんうんと頷いて彼女のことを肯定した。
「ね? だからさ、えーと、なんの話してたっけ?」
「髪の毛を染める話じゃないかな?」
「そうそうそう。そうなの。紫色に染めるって絶対いいよね?」
 僕は大きく頷いた。
「なるほど。よく分かったよ!」
「え? そう?」
「いいビヨウインを知ってるんだ。今から行こう」
「え? え? え?」
 いつになく積極的な僕の態度に彼女が目を白黒させる。
「ちょっちょっ、いきなりどうしたの?」
「お金は僕がおごるよ。だから今すぐ行こう!」
 そしてボクは花川さんを説得してとあるビルへ向かった。
「……ねえ?」
「なんだい?」
「私にはこれが病院に見えるのだけれど?」


<時間切れ>


 プロット組むだけで10分。実際に書いたら20分くらいでここまでしか進みませんでした。
 このまま行くとなんだか原稿用紙50枚くらいつかいそうなので、時間切れにしました。
 中途半端ですいません。
 しかし、プロットがどうみても掌編のものじゃない。
 明らかに短編クラス。ショートショートを書く練習なのに、ノーマルな短編のプロットを組んでる時点でカテゴリーエラーで失格ですね。
 やっぱり、分量的にこれくらいの短さは性に合わないらしいです。
 本来であれば上の教室での会話も話が逸れまくる花川さんと主人公のグダグダ会話をばぁぁぁぁっと展開しようと思ってたのですが、明らかに枚数オーバーなので諦めました。
 というか、書く前に気付け。
 まあ、話の結末は先にプロット書いてるのでそちらを参考に。
 以上、ためになったかならなかったのか、よく分からない即興小説の修行でした。